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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁

青空文庫

浅草艶語

を物静かに聞き取っていました。

やがて、茶箪笥をかき廻して、有合せの菜で茶漬をかッ込むと、

「じゃあ、すぐに手配にかかるとしよう」

羽織を着直して外へ出ました。

次郎も捕手の仲間に加わる気か何かで、例の野槍をたずさえて、彼と共に飛び出しましたが、桐畑から千束の用水堀まで駆けて来ると、

「おっと、お前はこの辺で待っていてくんな」

と、逸る足を止められて、

「七刻頃になると、上野の方から一人、茶屋町の方から一人、草履ばきで、十手を持った男が来るだろう。それはおれの部屋に冷や飯を食っている岡ッ引だから、訊いてみて、もしそうだったら、灯ともし頃を合図に、大川と浜町の陸から、例の所へ人数をよこすように親方が言い残して行きましたと、言伝をしてくれないか。――でその時には、御苦労でも、お前がそこへ案内をして来てくれればなお有難いが」

無論、次郎に否やはありません。

「承知いたしました」

「じゃ頼んだよ」

「あ。――親方親方」

「なんだい?」

「その時は、おいらも捕手と一緒になって浜町へ行くよ。ちょうど明りの灯く時分に」

「うまくこッちの方寸どおりに行くかどうか、とにかく、部屋の者に、上手にやれと言ってくんな」