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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁
川のながめを裏にした井筒屋という茶屋、そこへ上がッて、二階の一間に席をとる。
鮎には早し、涼みの人は元よりなし、ほかに客らしい声もせず、至って閑散なところが殊に三人にはくつろげる。
それは秦野屋の奥で、日本左衛門が夜光の短刀のことを九兵衛に打明けた数日の後。
あの時、九兵衛、強っての頼みに、日本左衛門も遂にかれの希望をいれて、共に、夜光の短刀を探そうという誓いは結びましたが、今夜、河原へ案内してくれと日本左衛門がいい出したのは、何の為か、まだ九兵衛にも分っていません。
盃の音もひそやかに、そこで酒を酌んでいること一刻あまり、
「もうぼつぼつ来そうなもんだが……」
と先生金右衛門は、時々、思い出したように、その二階から川向うへ目を配っている。
すると。
やがて対岸の暗に、ポチと、ほたる火ほどな火繩が見え、その火繩は暗に何か、描くように、しきりと赤い線を振っています。
それはこの仲間の火合図とみえて、じっと、読むように赤い微光を見つめていた金右衛門、
「兄貴、やっと人数がそろったから、出かけて来てくれといっているぜ」
「そうか、じゃあ渡ろうか」
九兵衛は変に思って、