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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

そこで彼は目をあいたまま、ねむりはじめるのだった。そうして、今も彼はよく眠っているのである。

怪人丸木は、蚊帳のような形をした減圧箱の中に、だらしなく眠っている。――

朝日が、天井窓からさしこんで来た。何の音も聞えない。静かな朝であった。人間たちの、さわぎをよそに、丸木はすっかりいい気持で眠っているのだ。

するとその時、天井からさしこんで来た光が動いた。

朝日の光が動いたのではない。光の中に、別の人がはいって来たのである。

影法師の人間が、減圧箱の上に影をなげかけた。大きな頭がうつった。その頭には、不思議にも鬼の角のようなものが生えていた。

鬼か?

鬼でもなさそうだ。角は、二本よりも、もっとたくさんあった。そうして束ねた髪の毛のように、ぶらんぶらんゆれていた。

やがて一本の梯子が、上から下りて来た。そうして床の上についた。

その梯子を、つたわって、下りて来る者があった。さっき影を見せていた、あの鬼のような人物だった。

黒いマントを着ていたが、下に下立ったところを見ると、それは外でもない千二少年であった。

ああ、千二少年!

千二は、今までどこにいたのであろう? 今、千二はただ一人で下りて来た。