輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
6 悪人丸木
うつくしい広告灯の灯だった。銀座が、千二のすぐ目の前に立っていた。
「あっ、ほんとうにもう東京へ来たんだ。丸木さん、僕たちは、さっき千葉県にいたはずだけれど、どうしてこんなに早く東京へ着いたの」
「そんなこと、どうでもいいじゃないか」
すぐ横で、丸木のこえがした。
千二が、横をふりむくと、そこには、例の黒ずくめの服装をした丸木が、眼鏡をきらきらさせて、立っていた。
「さあ、薬屋へいくんだ。いいかね。逃げると承知しないぞ」
そう言って丸木は、千二の手を握った。
それは氷のように冷たい手だった。いや、丸木は革の手袋をはめているらしい。
二人の立っているところは、銀座裏の掘り割りのそばで、人通りはなかった。だからこの二人は、怪しまれることもなしに、こんな会話をすることが出来た。
「薬屋へいって、なにを買うの」
「ボロンという薬だ。ボロンの大きな壜を、二、三本買いたいのだ」
「ボロンを、どうするの。何に使うの」
「おだまり。お前は、早く薬屋をさがせばいいのだ」
6 悪人丸木
丸木におどかされながら、千二は、賑やかな銀座の通に、ようやく一軒の薬屋さんを見つけて、その店先をくぐった。