輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁
その時――
夜はまだ明けぬが有明けの月、かすかに雲の膜をやぶって黒い鞍馬の山の端にかかっていた。
白き衣をつけた居士のすがたとみえたのは、はからざりき一羽の丹頂! まっ白な翼をハタハタとひろげて、四人の上に輪をえがいて舞いめぐり、あれよと見るまに有明けの月のかげをかすめて、いずこともなく飛んでしまった。
しかし、四人はまだ、なお岩の上に、果心居士がいるような心地がして、その上まで登ってみた。そこにはだれもいなかった。
ただ残っていたのは一本の刀。
滝壺のなかに落としたとばかり思っていた、竹童の愛刀般若丸は、水にもぬれずにおいてある。
「や、まだなにやらここに……?」
と、伊那丸はたいまつの光をよんで足もとをみつめた。
見ると、岩をけずって、数行の文字が小柄で彫りのこされてある。それは、うたがう余地もなく、果心居士らしい枯淡な筆せきで、
父子の邂逅はむなしく
小太郎山の砦はあやうし
とただ二行の文字であった。
しかし、この二行にすぎぬ文字の予言は、武田伊那丸にとって、否、その帷幕の人すべてにとって、なんと絶望的な、そして戦慄すべき予言ではあるまいか。
泣き饅頭