輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁
(はて……どこかで見たことがある)
いくども首をひねって考えたが、どうも思いだすことができない。
徳川家の使者についてきた侍、横顔をさしのぞくのも無礼であるし、疑念のあるものをやすやすと、主君の前へ近づけるのはなおのこと不安なはなし。
で――作事門からついてきた番士に、ソッと耳をよせてきいてみると、
「あの方ですか。あれはただいまたしか、菊池半助とか名のりました」
「えッ、菊池?」
そうだ!
それで可児才蔵にも思い起すことができる。かれは徳川家の伊賀衆隠密組の組頭で、かつて富士の人穴城へ、じぶんが主命でようすをさぐりにいったとき、はじめてその名を知った男だ。
(これはいけない! 油断のならない使者のお供だ)
かれがそう思いあたった時には、もう、秀吉のまえにきて、一同横列になっていた。
秀吉は、ヤアと友だちを迎えるようにして、はなはだかんたんに、来意をきく。
けれど、いくらかんたんにされても、なれなれしくあつかわれても、ひとりでに使者のからだは固くなってヤアに対して、オウというような円滑なへんじはできないで、
「左少将さまにはいつもながら、ますますご健勝のていに拝せられまして、かげながら主人家康も祝着にぞんじあげておりまする」