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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(一)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 246,214 字 · 495 頁
すべて、一道に達した者は、柳営の職座に入れて、これを保護した。
同時に彼は、その者たちを、遊楽の取巻きと見て、おもちゃにしたことも否めない。あたまの痛む政務ばかり持ちこむ評定所衆や、武者所のごつい輩などよりも、遊び相手として、おもしろい相手だったにはちがいない。
いつか、華雲殿の廻廊には、吊り燈籠が星をつらね、内は無数の銀燭にかがやいて、柳営お抱え役者の“田楽十番”もいま終った。
――で、それを機に登子は、
「はや、おいとまを」
と、良人へそっと、うながした。
だが、高氏は居眠っていた。いちど、暇を乞いかけたとき、かえって、執拗な高時に、大杯を強いられ、それがこたえてしまったものとみえる。
「殿。……」
登子に膝をつかれ、彼は大きな眼をあけた。きょとんとして、まるで涎くりの童みたいな顔つきなのが、登子には少し情けなく見えた。
「殿、いまがよい頃です。太守にお礼を申しあげて、お退がり遊ばしては」
「そうだな。そなたも大儀だろう。高氏もはや、これ以上は」
俄に、衣紋づくろいして、高時の横へすすみかけると、高時は見て、敏感に、
「こらっ、虫食い瓜、まだ帰ってはならん。