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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(三)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 222,108 字 · 446 頁
と、はや正成を、彼らは腰ぬけ者ときめていた。――しかし途上で使いの刑部と爺に出会い、仔細をきいたので、これでもいくらかは、穏やかになってこれへ来たものだった。
ほどなく、他の一族たちも遠地の――和田、橋本、神宮寺――などを除くほか続々この夜の“御本屋会議”に参集してきた。
間ごとのふすま境を取りのぞけば、邸内はただ一つの広い武者床となる。だがそこにさえ入りきれぬ七、八十名の甲冑と硬ばッた顔は廊にまで溢れた。そして深夜の燭も人もすべて粛となった。
「正季」
やがて、口が切られた。
正成の声である。
「……なんでそちは、この兄や同族にも計らず、血気な若者ばらを誘うて、ひとり笠置へまからんとしたか。いつの場合も一つぞと結んでおる日ごろの誓いを忘れおったな」
「忘れはしませんっ。……おことばですが、笠置へ参軍のお願いは、もう再三再四、兄上へむかって」
「だまれ。たれがゆるした。ゆるしてはないはずだ」
「けれど」
正季は、逆に食ッてかかる。
「すでに兄上こそ、以前ここへお訪ねあった日野朝臣などと、密々、宮方加担の盟をむすんでおられたのでございましょうが」
「そんな約はせぬ。