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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁

青空文庫

しかし賜謁は、上々の首尾で、義貞は身にあまる思いにくるまれ、さらにべつな庭では、准后三位ノ廉子にも謁した。

そして帰路、神泉苑の御所に大塔ノ宮をおたずねして、そこでは御酒をたまわり、すべてこの一日は、彼の最良の日らしくみえた。

洛内はいま復興の物音で、一見、新政府の開幕はじつにすばらしい。諸官衙から公卿武将の家々まで、普請をしていない所はなく、戦災で焼け落ちた五条大橋も、いつか新橋の粧いを成しかけている。

義貞は、こうした物音の中に住みはじめて、

「義助、ここの古館も、このままにはしておかれんな」

と、着京後すぐ、二条烏丸の改築を考えていた。

「されば船田ノ入道も、才覚中のようですが……。何せい、大工や諸職の職人は、昨今、引ッぱりだこだそうで」

「それは兵舎や武者長屋のことであろ。それも急ぐには急ぐが、この古館自体を、さっそく、何とか修理させい」

「こころえました」

「昨夜も佐々木道誉の招きで、彼の佐女牛のやしきへ行ってみたが、豪奢、目ざましいのに驚いた。……もっとも、常に彼の門へは、公卿大臣の車が見えるらしいが、わが家にしても、しぜん将来は、上卿たちとの往来もしげくなること、これではいかにもひどすぎよう」