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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁
相談の上、会費を集めると、勇敢な突撃隊員が、市外一里のヤミ肉屋まで、雪の夜道を、駈けつけるのだ。
油障子に、ほだ火のあかりがゆらゆら揺れる田舎路沿いの馬肉屋は、空想的な少年の眼には、冒険小説に出てくる大魔窟ほどに怪奇だった。しかし十銭玉一枚で、血のしたたる鮮肉が、五、六斤も来るというのは馬肉のほかにない。
塾の二階では、砂糖と醤油と、ネギと豆腐が密輸入される。鍋と庖丁は、階下のお勝手から、音を立てぬように持ってくる。本箱の蓋を裏返しにすればマナイタだ。
泡立つ鍋を四方から囲んで、最後の一滴までなめてしまって、十分、たんのうした顔で、その夜は明けて朝になる。
「なんだ。お前のその顔は」
たがいに、相手の、あごのあたりを指差している。おたふく風邪ではあるまいし、なんとなく、下あごがはれているのだ。
人に言われるまでもなく、歯ぐきと、あごが変テコで、自分でも持てあましているのである。昨夜の馬肉が、水出しも煮出しもせず、肉の切り方を知らない連中が、タテに切ったものだから、噛めども噛めども噛み切れない。あごの力が労働過重だったのだ。
時代小説では、街道筋の馬肉屋なんぞが、よく使われる。