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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁

青空文庫

平次とガラッ八

ここで、手紙は終っている。

私は、抱琴と最も仲のよかった元大審院検事柴碩文君に問い合わせて、抱琴の命日を同じ新聞にのせてもらった。手紙の主からは、重ねて何も便りはないが、おそらく読んでくれたのであろう。

明治の末に抱琴が、よく行ったといえば、青木堂か、淀見軒か、あるいはパラダイスか本郷カフェーか。大使になった友人というのは、杉村陽太郎か、堀田正昭あたりであろう。

原抱琴に恋人があったということは、仲間の誰もがきいていない。病弱な彼に、恐らく、それほどの行動力はなく、乙女心のひそかなときめきにすぎなかったかとも思うが、事実は、時に、小説よりも美しく悲しい。

私は、抱琴のために、ページをさきすぎたようだ。急いで新聞記者時代に移ろう。

平次とガラッ八

入社願いも戸籍謄本もあらばこそ、

「では、今日から……」

と、新聞記者になったのはよいが、月給日になって驚いた。一カ月分の給料が、大枚二十円なのである。

今日ならばハガキ四枚である。銭湯には、はいれるが、都電の往復は駄目だ。

当時米が一升いくらしたか記憶にないが、それにしても、いささか見切り品である。新聞界の大元老、松崎天民氏が「百円たらずの月給にしばられ……」