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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁
すると、編集局には一言居士が多いから、
「そういえば、蛮人というのは、北方の感じじゃあない。南蛮といって、赤道直下の黒ン坊だ」
「南蛮に対して、北狄だが、狄というのは活字があるかい」
「なら、胡というのは、どうだ。胡馬北風にいななくの胡だ。秦を亡ぼすものは胡なり、の胡だ。これなら、貞任、宗任の子孫らしいぞ」
「そして、その下へ堂をつけろ。犬養木堂。尾崎咢堂。清浦圭堂。近ごろは、堂の株があがっているから……」
こうして翌日の紙面から、本人の私の思わくなんぞ無視して、胡堂という署名がはいったわけである。
その後しばらく、部長などという雑用に追いまくられて、せっかくの胡堂も使う機会がなかったが、大正十一年、社会部長をやめて再び筆をとりはじめた時、新しく考えるのもめんどうなので、そのまま使った。思えば、長い間の胡堂である。
さて、私の本名は長一である。長四郎の長男で長一は、あまり知恵のある命名でないが、父親は、これをオサカズと読ませた。郷里の村へ帰れば、オサカズと呼んでくれる老友が今でも幾人かは、残っているはずである。
ところで、この長一という簡単な名前は、世間にザラにありそうで、その実、案外に少い。