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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十五)茶碗割り(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,804 字 · 225 頁
二
その矢の根五郎吉が命にかけて隠しおおせた二千両の金を、弟分の彦徳の源太が、五郎吉を縛った俺やお前にくれるというのは可怪しいじゃないか」
「そうですかね」
「彦徳の源太の手紙には何とあったんだ」
「――十三日の晩、小日向の竜興寺裏門まで行ってみろ――と書いてあります」
「俺のは十五日だ。――今日は十二日か、お前は明日の晩じゃないか、行ってみる気か」
「どうしたものでしょう、親分」
「俺はツイ今しがたまで、行くつもりはなかった。世の中にはこんな手紙を書いて、岡っ引などをからかいたがる物好きな馬鹿がうんといる。これもその一人だろうと思っていたが、お前にまで呼出しが来るようじゃ油断がならねえ。――俺は行ってみることに決めたよ、八」
「それじゃあっしも行ってみますよ。二千両の目腐れ金は欲しかアねえが、相手の仕掛けが見ておきてえ」
「たいそうな勢いだな」
「なアにそれほどでもありませんがね」
ガラッ八はすっかり面白くなった様子です。
二
翌る日。――飛んで来たガラッ八。
「大変ッ、親分」
「サア来た。今日あたりはそいつが来るだろうと、皿小鉢を片付けて待っていたんだ」
平次は相変らず落着き払って笑っております。