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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十五)茶碗割り(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,804 字 · 225 頁

青空文庫

お主の敵を討つ気があるなら言えッ」

「私は約束しました。――こればかりは言わないと」

「馬鹿ッ、お前が言わなきゃ、俺が言ってやろう。その智恵をつけたのはお道だろう」

平次の言葉は辛辣で、厳重で、なんの仮借もありません。

「そうまで御存じなら申していいでしょうか、親分さん――実はお道さんが、いつまでそうして奉公していても、伯父さんは吝だから、五十両と纏まった給料は払わないだろう。お前は金で釣られて無駄奉公しているのに気が付かないか。幸い金が手に入ったんだから、それを自分のものだと思って国へお帰り、あとは私がうまく言っておくから――と」

「よしよし、大方そんな事だろうと思ったよ。八、聴いたか」

「ヘエ――」

「市五郎は人相は悪いが手堅い男だ。徳松はなかなかの道楽者だと言ったな」

「その上、町人のくせに勝負事にも手を出して、主人にひどく叱られたそうですよ」

「それで解った。下手人は家の中の者、権八の家出を知ってやった仕事だ。お道は女だからまさかあんな手荒な事はできまい。――お杉の袷を胸へ当てて、返り血を除けながら主人を刺すような太い奴は誰だ。解るか、八」

「親分、行きましょう」