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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁

青空文庫

「よしよし、いい心掛けだ、――ところで和助、――お前はお曾与を殺したに違いあるまいが――何で殺した」

平次は静かに問いました。

「三尺ですよ、親分」

「どんな?」

「白木の三尺で」

「そいつはお前のか」

「え」

「ところで、お前は三尺を何本持っている」

「二本持っていますよ」

「今締めているのが一本、あとの一本でお曾与を絞めたわけだな」

そう言う平次の言葉や眼色を読むと、ガラッ八は飛んで行って、横手の押入から行李を一つ出しました。

「こいつは和助の行李だろう」

と平次。

「え」

お舟はわずかに頷きます。

平次の指図で八五郎が蓋を取ると、中には着物が二三枚、股引、腹掛、手拭の外に、白木の三尺が一本入っているではありませんか。

「これは何だ」

と平次。

「もう一本ありましたよ、親分」

和助はヘドモドします。

「和助、気の毒だが、お前が下手人じゃないよ」

「…………」

「下手人は、勘三郎の三尺を盗んで、それでお曾与を殺したんだよ」

「それが」

「まア聞け、その三尺は町内の湯屋で盗まれた品だ」

「私ですよ、親分、私が勘三郎の三尺を盗みましたよ」

と和助。

「いつの事だ」

「三日前で――いや五日ぐらい前ですよ」