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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁

青空文庫

三

早速悪者を捜し出し、思い知らせた上、お礼に参るであろう。さらばじゃ、平次殿」

孫三郎は打ち萎れて帰って行きました。

「親分、変なことがあるものだね」

ガラッ八は酸っぱい顔をします。

「まだまだうるさい事になるだろうよ」

平次はまだ何か考えている様子です。

三

それから三日。

「御免」

錆のある声が少し落着きを失って、また平次の戸口を訪れました。

「親分、来たぜ」

「シッ、丁寧に取次ぐんだ」

平次に促されて、ガラッ八は石川孫三郎を案内して来ました。

「平次殿、――大変なことに相成った」

典型的な用人が、挨拶も忘れて平次の前にドカリと坐るのです。

「悪戯者が解りましたか」

「それがトンと相解らぬ、いや解ったつもりになったばかりに、大変なことに相成ったのじゃ」

「…………」

「平次殿、この上は隠しても無益なこと、何もかも打明けて申上げる。実は、拙者の主人と申すのは本郷元町に御屋敷のある、二千五百石取の御旗本、横山主計様」

「大方見当は付いておりました」

「なるほど、さすがは平次殿、主人御名前を隠しおおせたと思ったのが拙者の浅はかさだ、――それはともかく、あの謎の文句を、立帰って主人主計様にお目にかけたところ、御病中ながら以ての外の御立腹。