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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁
「…………」
「申上げてしまいます。悪い女で――ヘエ、若旦那の甲子太郎様に、何かとうるさく付き纏いますようで」
理三郎は頸筋の冷汗ばかり拭いております。
「で?」
「あの晩も、――若旦那の甲子太郎様と、納戸で話をしていたと申します」
「フーム」
「若旦那が幽霊の宙乗りを手伝う役割のあったことを思い出して、あわてて部屋へ帰って来ると、幽霊はもう宙乗りをしていたんだと、――こう申します」
「すると、幽霊が宙乗りを始めてから甲子太郎はあの部屋へ入ったんだね」
「ヘエ――」
「若旦那が入って来たのを、誰も気の付いた者はなかったのかい」
と平次。
「何しろ、幽霊が出るともう、あのキャッキャッという騒ぎです。若旦那の一人ぐらい、出ても入っても、気のつく者があるはずもございません」
「それでは、幽霊の頸へ綱を掛けたのが、甲子太郎でないという証拠は一つもない」
「親分さん」
「お前さんはどこに居たんだ」
「若主人の祐吉様御夫婦や与作さんと一緒に、部屋の真ん中に居りました」
「幽霊のすぐ側かい」
「いえ、少し離れておりましたが」
「話はまた戻るが、甲子太郎とお国が納戸で話しているのを、誰と誰が知っていたんだ」