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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁
「…………」
平次も何か自分が責められているような心持で、小さくなって聞いております。
「わけても若葉様は、母上様の潔白のため一日一刻も早く、その呪いの願文を書いた悪戯者を捜し出し、父上様の御怒りも宥めて上げたいと、葬式の仕度もせぬおむずかりようじゃ。いかにも、尤も至極の願い、お嬢様の御心持をお察し申上げると、悪戯者を捜すのが何よりの供養じゃ――拙者も包み兼ねて、実はこうこうと、平次殿のことを申上げると、ではその平次殿とやらに、早速屋敷へ来て頂くように、お前がお迎えに行って来いというお言葉じゃ。殿様、若様にも御異存はない、一刻も早く、平次殿が行ってくれなければ、奥方お勇様の御葬いの仕度も相成り兼ねる仕儀じゃ。どうであろう、平次殿」
石川孫三郎は、手を突いてまた真四角にお辞儀をするのです。
「よく解りました。いかにもお屋敷へ参りましょう」
「それでは、来て下さるか」
「もともと私が余計な猿智恵を働かせて、あんな謎を解いたから起ったこと、――いかにもお供いたしましょう。悪戯者を取っちめて、キュウキュウ言わせなきゃ、この平次の心持が納まりません」
「では、平次殿」