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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁

青空文庫

今頃は番所で調べているだろう。蝮と言われた男だから、どうせお白洲で石でも抱かせなきゃ、素直に白状する野郎じゃあるめえ」

お神楽の清吉はそう言って、骨張った顎を撫でるのです。元は三河島の馬鹿囃子に入っていたという清吉、いつの間にやら三輪の万七の子分になって、事ごとにガラッ八の向うを張っている岡っ引でした。

ガラッ八は、清吉の嫌がらせを聞き流して、屑屋の周助の家に入りました。入口の土間と、六畳一と間、それにお勝手と便所が付いたきり、見る影もなく住み荒らした長屋ですが、入口の土間は手入れ次第では、小さな店にもなるように出来たもので、周助はそこへ買い溜めのガラクタで、問屋で値の出なかったものや、古道具屋に持込んで、いくらかの利潤を見ようとしたものを、順序も系統もなく積み重ねて置きました。

大部分は皿、鉢、行灯、といった世帯道具の半端物ですが、中には大擬い物の高麗焼の壺、紫檀の半分欠け落ちた置物、某法眼の偽物の一軸、古九谷の贋物の花瓶――といった、物々しくもグロテスクな品物もあります。

一歩六畳に踏込むと、――

「あッ」

物馴れたガラッ八も顔を反けたほどでした。