輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁
結城へは休之助が、その夜のうちに立つことになった。紀州の田辺へいった中谷や、その他の連絡は、小出辰弥が引受けて、その使いには金杉の半次(あの浮浪児)を頼むのがよかろう、ということになった。半次は今でも、三日に一度ずつは蛤町の屋敷へ来るので、小出から話せばすぐ役に立つのであった。
梶原大九郎は町奉行与力だから、移転の支度を手伝ったあと、日の昏れるまえに帰った。
和泉屋(八重の家)から使いが来たのは、夕食の終ったすぐあとであった。八重の兄で文吉といい、自分が寮へ案内すると云った。
「寮をお貸しすることは、八重と私と母の三人だけしか知りません、寮には飯炊きの老婆がおりますが、これは四十年も私の家に奉公していまして、身寄りもなし口もかたい人間ですから、どうぞ御心配なく」
事情はなにも知らないが、秘密だけは守るから、と文吉は篤実な口ぶりで云った。
七時過ぎてから、僅かな荷包を舟に乗せ、裏の堀から大川へ出て、橋場へ向った。花田兄弟と太田嘉助、それに和泉屋の文吉で、舟は休之助が漕いだ。ちょうど上げ汐どきだったが、流れに逆らって漕ぐのは楽ではなく、橋場までのぼるのに半刻近くもかかった。