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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁
山の声
一
「やるなら徹底的にやれ」
休之助は笑って頷いた。そして、そのまま、表門から出て行った。
山の声
一
休之助が土浦を出たのは、明くる日の午前十時ごろであった。
土浦の伝馬問屋では、彼の示した切手を疑うようすで、
――いちおう番所へ問い合せるから。
と云った。
大目付御用遠国鉄砲改、という切手の名目や、若年寄の連判など、かれらは見るのが稀なので、半ば恐ろしく半ば信じ兼ねるといったようすであった。
――ばかなことを申すな。
と休之助は高圧的に出た。
――急を要する御用だからこそ、若年寄連判の証文を出したのではないか、番所へ問い合せるならあとのことにしろ、馬だ。
かれらは御用馬を出した。存分にとばせそうな馬である、休之助は余分の駄賃を与えて出発した。
下館までの道の半ばは、筑波の山麓に沿っている。晴れてはいたが風の強い日で、殆んど真向から、それこそ正真正銘の筑波颪が、膚を切るように吹きつけて来た。
小田という処で昼食をし、半刻ほど馬を休ませたが、この時間が悪かった。
北条へかかる少し手前で、うしろから追って来た六七騎の侍たちに、声をかけられた。そこは筑波山への登り口に当っているので、初めは筑波山への遠乗りの連中かと思った。