輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

「待て、待ってくれ半次」

屁十もおろおろと叫んだ。

「おらっちは、まさかそんな」

「よしゃあがれ、このけだもの」

半次は力いっぱい丸太を叩きつけた。

避けていたにも拘らず、丸太は三島の頭へしたたかに当った。ごつんというきみの悪い音が、かなり高く聞え、三島はそこへどさりと尻もちをついた。屁十はきりきり舞いをし、鼬のように金杉橋のほうへと逃げ去った。

「ああ、またら、またやらいた」

三島は両手で頭を抱え、よくまわらない舌でこう悲鳴をあげた。

「おらあまた眼が見えねえ、また眼が見えなくなった、ああまっくら闇ら、――」

砂山の上へ投げだされたおちづは、はね起きざまに半次へとびついた。半次は丸太を捨てるとおちづの手を取って走りだした。

おちづはなにも云えなかった。

半次も黙っていた。かれらは横路地へとびこみ、そこにある繩屋の納屋の中へもぐり込んだ。それは二人の寝場所の一つで、中には打藁の束や、繩や蓆や、あき俵などが積んであった。どんなに寒い晩でも、そこでは温たかく眠ることができた。

「半ちゃん、――」

中へ入るとたんに、おちづがそう叫んで半次にしがみついた。

四

「声が高いよ、聞えるよ」