輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁
七
「そんな必要はない」
休之助は首を振った。
「巡検使の権限で調べるのだ、荷駄の内容がなんであるか云ってもらいましょう」
「――甲府城の、用度品です」
「どういう品です」
「――器具、帳簿――」
「器具はどんな物です」
相手は口をつぐみ、行列のほうへ振向いて、なにか合図をした。
「それはまずい、よしたほうがいいな」
休之助が云った。
「こっちにも用意がしてあるんだ、悪あがきをしても逃げられやしないぜ」
そして手を振った。
待っていたように、道の左側から鉄砲組が走り出て来て、すでに火繩のかかっている銃口を、一斉に行列のほうへ向けた。
松野次郎右衛門は蒼くなった。
塗笠を冠ったもう一人の馬上の武士も、行列の者たちも虚を衝かれたようすで、その場に釘付けになったようにみえた。
休之助が小林支配を見た。
「荷駄を調べろ、――」
と小林重兵衛が云った。
上田三郎助の組が出てゆき、七頭の荷駄の荷をおろさせた。休之助はいっしょにゆきながら、
「人は片寄れ、荷駄は右、人は道の左へ片寄っていろ、動くな」
そう叫んだ。
道にはもう人馬の往来が繁くなっていたが、それらはこの一団の前後で停められ、遠くから好奇の眼で眺めていた。