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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

まして、伴れが拾い屋である、乞食のような恰好に頬冠りをし、袋を肩にひっ掛け、手には長い竹の割り箸を持っている。どう見たって似合う伴れではなかった。うっかりしていると、その辺の子供がぞろぞろあとからついて来た。

「いったいどうするんです」

万三郎は閉口して云った。

「私になにか用でもあるんですか」

「あら、あなたのほうでわたくしに用があるんじゃあございませんの」

「私が貴女にですって」

「あら違いましたかしら」

女はそう云ってから、牡丹の散るように笑った。万三郎はそっぽを向いた、女のそういう笑いかたは苦手であった。けれども、そっぽを向いたとたんに、殆んど「あっ」と声をあげそうになって振返った。女は頷いた。

「ね、そうでしょ」

と彼女は云った。

「あなたはあの人のいどころを捜していらっしゃる、そのためにそんな姿に身を扮して、ずっとこの辺を歩きまわっていらっしゃるのでしょ」

「それを見られていたというわけですか」

「殿方が見はぐるようなものでも、女の眼はちゃんと見るものですわ、特に自分の好きな方なら、どんなに姿を変えていてもひと眼でわかります」

「女の眼ですかね、なるほど」