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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

三

「偽装のためにですね、一部は本邸へ入れるでしょう、しかしその他の大部分は他へ運びますね、なにしろ御三家の威光があるから便利です。毎年の例で日光廟へ納めるというのも怪しめば怪しめるでしょう」

「よし、それをつきとめることにしよう」

徹之助はひろげた物を片づけて、小机の上の鈴を取り、強く五たび鳴らした。

「紀尾井坂(紀伊家の本邸)へ人を入れるにはつなが適任ではないでしょうか」

「消息がないんだ」

「――どうしたんです」

「十日ばかりまえから音信が絶えている、どこかへ誘拐されたとしか思えないんだが」

そこへ人々がやって来た。

三

集まって来たのは八人で、林市郎兵衛と中谷兵馬と、万三郎の三人がいなかった。

「三人はどうした」

「林は今日は来ませんし、花田さんと中谷は外出です」

「いっしょにか」

「花田さんは存じませんが」

と斧田又平が云った。

「中谷はつい今しがた、誰か呼びに来た者があって出ていったようです、ちょっとでかけると云っただけですから、すぐ帰って来るだろうとは思いますが」

「誰か呼びに来た、――」

徹之助は首を傾げた。

万三郎が毎日ぬけ出すことは、徹之助はもう知っていた。