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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

五

「よければ私もまいりましょう」

沢野雄之助が云った。だが徹之助は首を振って、紀州の田辺を探索する必要があるし、それには少なくとも三人はゆかなければならないからと云った。

「田辺へは私がゆきます」

休之助があとへひかない調子で云った。

五

田辺へは自分がゆく。

休之助の、ひらき直ったような口ぶりを、徹之助は不快そうに聞きながした。

イスパニア文にある「十二月、紀伊のくに田辺に着く予定」というのが、はたして今年の十二月をさすのかどうかは、まったく不明であった。ただ、探索の一翼として考えていたのであるが、現に海から浜屋敷へ、怪しい荷が運び込まれ、それが直ちに他へ輸送されていることがわかってみれば、ぜひともその土地を踏査する必要が生じたわけであった。

斧田はすぐに旅支度をし、結城へ向って出立した。

残った者でなお二三の打合せをした。休之助は指令のあるまで、浜屋敷の監視を続けることになり、不平そうに立とうとしたが、そのとき林市郎兵衛が駆けつけて来た。

「花田さんの御家族のいどころがわかりました」

彼はいそいで来たらしく、昂奮した顔つきで、ひどく息を喘がせていた。