輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

七

「いったい誰です」

万三郎は云った。

「貴女の保護者というのはなに者です。貴女がもし本当に私を好いているなら云ってくれるでしょう、それはいったいどんな人間なんです」

「そんな怖いお顔なさらないで」

かよは万三郎に凭れかかった。

「ねえ万三郎さま、もういちどさっきのように抱いて下さいましな、ぎゅうっと、息の止るくらいきつく、ねえ」

七

女は身もだえをしながら、両手で万三郎を抱き、そのままうしろへ倒れようとした。

万三郎はふり放そうとしたが、柔軟な女の躯は吸いつくように絡み着いて、危うくいっしょに倒れそうになった。

そのとき二人のうしろで、

「三郎さんもういいでしょう」

という声がした。

いやにおちついた、静かな含み声であった。かよはぱっと身を起こした。火にでも触ったような、非常にすばやい動作だった。

そこに中谷兵馬が立っていた。

万三郎はおうと云った。さすがにぐあいが悪いらしく丹前の衿を直しながら、この場の弁解をしようとした。

「迎えに来たんですよ」

兵馬は頷いた。弁解には及ばない、という頷きかたで、女のほうに振向いた。

「声を立てないでもらいたいな、万三郎さんは婦人にやさしいが、おれは女嫌いのほうだからな」