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だらくろん(ぞくだらくろん)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《堕落論・日本文化私観 他二十二篇(だらくろん(ぞくだらくろん))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,198 字 · 171 頁

青空文庫

インチキ文学ボクメツ雑談

本日(一九四六年七月七日・日曜)朝食の折から一通の速達が舞いこんできた。差出人は白鴎社・雑談会・立野智子女史とあり、曰く、インチキ文学撲滅論(枚数十五枚)を書くべし云々とある。直ちに(と申しては失礼だが)御辞退の御返事を差上げようと思ったのだが、さて、どういうわけだか、突然笑いがこみあげて、これが却々とまらない。ようやく笑いをボクメツして食事にとりかかると、又、こみあげてくる。閉口した。

日本国の始まりはアマテラス大神で、下って卑弥呼という女の王様が九州で幅をきかせていた由であり、当今デモクラシーの新日本となって忽ち三十何人だかの婦人代議士が現れ、男の子はダメである。立野智子女史にはお目にかかったこともなく、どういう御方か知らないが、これも相当の人物に相違ない。日本の文化界はだらしがなく、未だに旧態依然として男の子が編輯の席の大半を占めているから、全然ダメである。活気に乏しく、勇壮活溌の気風なく、遠慮深くジメジメとして、改新断行突貫撲滅の大精神に欠けている。近頃は僕のところなどへも雑誌社の人、新聞社の人、色々と訪問にあずかるけれども、みんな男の子だからダメなので、せいぜい「大いに力作をお願い致します」