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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
線上閱讀坂口 安吾《堕落論・日本文化私観 他二十二篇(だらくろん(ぞくだらくろん))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,198 字 · 171 頁
などとはにかんで言うぐらい、日本革新の大気風など微塵といえどもないのである。だから今朝はからずもインチキ文学撲滅の大命を拝して、僕がすくなからず慌てたのも、僕自身男の子だから旧態依然として身を以て世の新風を解しておらなかったせいであろうと思う。
それにしても立野女史ともある御方がどう間違えて僕如きに向ってインチキ文学撲滅の命令を発したのだか、すでに政界には三十何人かの代議士あり、文学界といえども、何々タイ子女史とか何々直子女史とか腕力衆にすぐれ突進又突貫殺人センメツ水もたまらぬ方々があるではないか。
不幸にして三日ほど前、僕は東京新聞のもとめに応じて文芸時評をやった。僕は元来筆不性以上に読み不性で、日々の雑誌など読むためしがないので、文芸時評はやらないことになっていたが、東京新聞のヨリタカ君は彼が帝大生で碁の主将をしていた時代、ふと知りあい彼は僕に碁の教授をしてくれた。即ち先生で、男の子はダラシがないもので、外ならぬ先生のたのみであるから三度に一度は仕方がなく、ムニャムニャ引受ける。翌日からヨリタカ先生に入れ代って寺田君が連日十冊ぐらいずつ雑誌をとどけて来て之も読めあれも読めという。