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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁
内容から云えば両者の間には之と云って一般的な相違は見出せないかも知れない、否、哲学には他の科学にぞくさない独特の内容はないとも考えられる。それから諸科学の方法は当然、相互の間に必ずしも共通な規定を持っているとは限らない。物理学の法則によって歴史を説明しようとする程無意味なことはない。哲学に独特な点はその方法にあるのであって、特にその方法が一切の思惟内容に普遍に通用するという点にあるのだ。その意味で、哲学は論理だと云われている。
だが哲学が方法であり論理に過ぎぬと云っても、哲学の叙述が実際に甚だ豊富な多彩な内容と肉づきを持っているということを妨げる何物もない。仮に極めて神秘的な哲学や又内容に充ち満ちていると考えられている所謂生の哲学などにしても(尤もそういう哲学は論理上の欠点を持っているということは容易に証明出来るが)、とにかく夫々の論理をその肉体の筋骨として持っているのである。どんな論理でも肉づけを持たずには現われる筈はないのである。それに哲学は先に云ったように、統一的な世界観に基き又は之に対応する処の方法・論理であったとすれば、このことはごく当然なことではないだろうか。