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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく

文化史上より見たる日本の数学

三上 義夫

線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁

青空文庫

この算額奉納のことは絵馬の流行に倣ったもので、俳句などの額と同様の意味のものであろうが、要するに芸術視してのことにほかならぬ。

吉田光由がかつて『塵劫記』の寛永十八年版において十二の問題を出して解答を求めてから、他の学者が後の著述においてこれを解いてまた別の問題を提出し、さらにこの問題を解いて第三回目の問題を掲げた書物が出版されるという風で、百余年間も継続したことがある。かくして出した問題を遺題というが、遺題あるがために学者の研究心をそそり、その趣味を迎えたことは少なくなかったであろう。遺題を解いて公にするのは得意とするところであり、一種の競技ともなったように見える。ある意味では数学が競技に使われたともいい得られる。

算額もまたそれ自身芸術〔品〕になったばかりでなく、やはり競技の役に立った。甲の算額に対して乙が改術を試みて他の額を上げるというようなことも行われ、これについて激しい論争の行われたこともある。

和算の先生が門人に教授している間に、日を定めて競技の会を催し、問題を出し合って互いに解くというようなこともあって、その競技の問題集の残ったものもある。