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ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく
文化史上より見たる日本の数学
三上 義夫
線上閱讀三上 義夫《文化史上より見たる日本の数学(ぶんかしじょうよりみたるにっぽんのすうがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,999 字 · 192 頁
武士はすでに農村を離れた以上、もはや生産者ではない。彼等を相手としても商業の必要が生ずる。山上不便の地にあった城砦は平地に移され、大河を利用したりなどして経済の中心となる。戦争には自然に大部隊が動かされ、物資の供給も大規模となって、ここに軍事上に経済の基礎ができてくる。経済の発達は実に著しいもので、交通の発達もまたこれに伴い、堺のごとき自由都市ともいうべきようなものも現われる。
経済が発達するとともに商工業も発達する。市邑の発達、交通の発達は知識の練磨となる。城郭も著しく発達するが、築城には必ず測量等の必要があったろう。
あるいは検地の事業が始まる。鉱山を開発する。貨幣の鋳造が行われる。水利等も起こさなければならぬ。財政のことも等閑にはならぬ。
かくして社会の状態は数学の発達を促さないでは止まなくなっている。それに個人の自覚の高まったことがその発達を助ける上に決して無力でない。群雄の割拠して相争うたとき、その競争は極めて激烈であって、また極めて真剣なものであるから、知力のあらん限りを尽くさなければならない。従来のごとく家格や門地ばかりでは如何ともできない。