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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁

青空文庫

「これに処す御意見は」

と、たずねた。

家康は、言下に、

「姉川を挟んで、野戦に勝敗を決するしかありますまい」

と、答えた。

信長の思うところもそれだった。家康は、自身、先陣を承ろうと進んで希望した。信長は謝して、

「それにしては、お手勢だけでは少ない。わが直属の兵を割いて、参加させよう」

と、いった。

「いや、大兵は要りません。……左様、然らば御意にあまえて、稲葉一鉄の一隊を拝借しましょうか」

家康は、そう答えた。

家康の眼に選ばれた稲葉一鉄は、武門の誉れと、手兵一千をさげて、三河勢に合体した。

信長はまた、家康に、

「これは、源氏にゆかりのある一槍です。源家の末裔たるあなたに贈ろう」

と、「為朝」という銘のある鑓を彼に与えた。

織田軍には、徳川家の援軍が来て加わった。

浅井方にもまた、朝倉勢の加勢がそこまで来ていた。

藤吉郎は、横山攻めには遅れて、後から参陣した。

彼は、浅井方の苅安城、長比(長競)城、不破郡松尾山の長亭軒の城など、味方にとって、最も怖るべき後方の諸城を陥し、前線と岐阜との通路と、その安全を確保するために、遅れたのであった。

それらの厄介な敵は、多くが江州と美濃の境に蟠踞していた。