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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁
これを東山あたりから眺めると壮観なものがある。
信長は風呂所で水を浴びていた。ここのも屋形造りの蒸風呂で、汗を流して出たあとで水をかぶる。流し場は十坪もある広さで、高い切窓の竹格子に夕顔の蔓が白い花を一つ見せていた。
小姓達はいわゆるお湯殿部屋二間にひかえている。衣服から髪までさばさばそこであらためて彼は橋廊下を戻って来た。と、その下から犬のように跳び出して、宵闇の庭面に土下座した小者がある。その顔は闇より黒く、歯ばかり白く見えたので、
「誰だ」
思わず足をすくめた。
笑いながら後ろで小姓が答えた。
「くろんぼの御小人でございまする」
「あの黒冠者か。時々、黒には脅かされるの」
信長も苦笑した。
半年ほど前、新しく日本へ来たばてれんの一行は南から連れて来た黒人の奴隷を安土へ献上した。人間の献上物とは珍しい。もし自分が黒人国の王であるなら、たとえどんな貧家の子たりと、外国への音物に領土の人間は用いないであろうにと、彼はそのとき左右の者に語ったが、若い黒人は、なかなか愛嬌者に見えたので、御小人の中に預け、外出の時など、例の南蛮笠にモール織の羽織を着、馬のあとには、この黒人を供に連れ歩いたりなどしていた。