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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《梅里先生行状記(ばいりせんせいぎょうじょうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,260 字 · 418 頁

青空文庫

のどこかにあざや瘤をこしらえていたり――というような日常を半面に持ち――つねにそれを激励されていたような時代の風が、時にかれを暴れンぼにしたり、我儘者にして躍らせたりしたであろうと思われる。

だから、夜遊びして、門の潜りを閉められると、

(開けなければ、開けて押通るぞ)

と、門の鉄錠をねじ切って、門番を閉口させてよろこんでみたりまた、お附の女どもの中で、二本の火箸をねじ曲げて、

(どんなものだ)

と、威張ってみたり、多分なる茶気と邪気と莫迦らしさをも、その時分の老公には、つつみなく素行に現わされていた。

お附女中などにふれるので、民間の子弟よりも、早熟な傾向があるところへ、学問によって智恵づけるので、この「権現さまのお孫さん」は、いったいに人なみ以上、老成ていたようである。

時代のせいもあるが、年少すでに童色を談じ、小身者はよく猥褻をささやくので、それと語るのを歓び、歌舞伎のまねをしていつのまにか三味線を覚えたり、また、鷹野にでも行く時は、天鵞絨の襟にふくら雀の紋を金糸で縫わせたのを着て、見よがしに歩いてみたり――なにしろ藩中では、いや他藩までも、

(権現さまのお孫にも、とんでもないお胤があるものではある)