輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁

青空文庫

「オオ、貴様は道中師の伊兵衛! そこうごくなッ」

と、大声に、吾を忘れておどり立ちましたから、伊兵衛は元より阿佐ヶ谷神楽の連中も、あっと、総立ちに仰天して、たれの気転か、酒やら水やらザッと燃え火へぶっかけるなり、てんやわんやに逃げ散りました。

さて、話がかわります。

――例の馬春堂先生の身の上をちと伺いましょう。

去ぬる月の朧夜に、銭瓶の穴から捕えられて、奇怪な侍に広野の果てへ引っさげられて行った先生。

その後、あの長い顔が、息災なりや否や。

卦を按じますに、まだ生きております。今、彼のいる地点は北武蔵野の一角、入間川を距ること遠からず、秩父から武蔵へ通う山境、鳥首峠が遙か西の方に見られる峡谷の一部落。

四時鳥鳴き、花咲き、潺湲たる水音と静かな山嵐――、そして、機織りの歌と梭の音がどこかにのんびりと聞こえている。

高麗の郷、高麗村。それはすなわち、ここでした。

そこに、入間へ落ちる渓流を前にし、青い峯をうしろにして、広やかな芝生の荘園を抱き、法然作りの門構え、古風にして雅致ある南画のような邸宅がある。

村の将軍様――というくらい。ふしぎな権力のある御隠家の屋敷がそれです。