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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁

青空文庫

「いかにもな!」

「のみならず、ピオは生前に当家の者へ、自分が終った所には、必ず鶏血草がさいているであろうと話していたそうじゃ。――察するところ、その鶏血草の花こそ、ピオの墓じゃ、夜光の短刀の埋もれてある場所じゃ」

「ウーム、鶏血草の花……ピオの墓……夜光の短刀……癆※(「やまいだれ+亥」、第3水準1-88-46)の薬草」と、久米之丞が首をかしげてつぶやくのを、老人は軽く話を笑い納めて、

「そう複雑に考えるからいけない。お前が見事、夜光の短刀の所在をつき止めさえすれば、同時に、月江の秘薬も手にはいるし、そちの望んでいる月江の体も、久米之丞の妻として、お前のものになるわけじゃ」

裸馬と騎り人

ふと、ふすまの向うでする衣ずれの音。

密談のあとで、何か耳打ちをしていた御隠家様と久米之丞が、あわてて身を離すと次の間の外で、

「お祖父さま」

と、開けないままの声がする。

「おう、月江じゃの」

「ハイ、まだお居間へ這入ってはいけませんか」

「ウ。……ム、いやよろしい、おはいり」

「もうお話はおすみ遊ばしたのでしょうね」

最前からそこの話が、余り永々としめやかだったので、少しヒガんでいる様子です。