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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《江戸三国志(えどさんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 頁

青空文庫

と、たれかいう。

「じゃ、前に種を明かしておこうか、実はそれには、相良金吾、丹頂のお粂、切支丹屋敷のお蝶、目明しの釘勘、道中師の伊兵衛、徳川万太郎、こう六人の名が書いてある」

「へえ……それで?」

「その名を引いた組の者の仕事は、その人間を殺すことだ」

「すると、一本よけいになりますが」

「残りは、親引き」

「なるほど」

「ですが、親分……」と、また四ツ目屋が疑いをはさんで、

「――その中にある、かんじんな、相良金吾だけは、まだどうしても居所が分っておりませんが」

「ウム……金吾か」と、日本左衛門はニンマリと笑みをふくんで、

「泰野屋の奥に居ても、おれも、ただは遊んでいない。金吾の歩む足音は、この迅風耳で聞きすましている」

「えっ、じゃ、親分はご存じですか」

「知らなくッて、どうする!」

「どこに居ますか、今、彼奴は」

「わからねえのか。……それ、てめえ達の居所から、ものの十尺と離れていない、ツイそこの水車の蔭に屈んでいるのが――」

金吾? 金吾ならばついそこの水車の蔭に居るではないか。

――何の前提なしに日本左衛門がこういったものですから、一同はギョッとしながら半信半疑に、