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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
どっちも、たいへん古めかしい飾りがついている、振子形の旧式時計であった。
振子は、どっちの時計の振子も、とまっていた。つまりうごかない二つの柱時計が、このがらんとした秘密室の留守番であったのである。
「まてよ、この二つの柱時計が、値打のある宝物なんかではなかろうか」
新田先生は、柱時計がかかっているその下まで出かけていって、それをていねいに何度もよく見たのであった。
たしかに古くて、時代がかったものであったが、作りもそうりっぱなものではない。むしろ安時計と見てもいいものだ。
「変だなあ。なんとなくわけがありそうな時計だけれど、どうもわけがわからない」
そう言って、先生はなおも柱時計の文字盤を、じっと見すえたのであった。
まるで、二つの柱時計が、留守番をしているような、がらんとした空部屋だ。これが、蟻田博士が、厳重に鍵をかけておく、秘密の部屋なのだ。
しかし、こんながらんとした空部屋の、どこが秘密にしておく必要があるのであろう。空部屋ならば、扉に鍵をかけておいても、或はまた、鍵をかけないで、あけ放しにしておいても、同じことではないか。
新田先生は、部屋のまん中に立って、あきれ顔で、部屋中をいくども見まわしたのであった。