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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《神州天馬侠(しんしゅうてんまきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 511,765 字 · 1011 頁
必然。
その間髪には、ふたりの頭脳に、助かッたぞッ――という歓呼があがったであろうが、結果は同じことだった。ただ業火の地獄から八寒地獄へ位置を代えたにすぎなかった。
なぜ?
と――いうも迂遠な話で、すでに最前から小屋の外には、おびただしい人の足音が、なにかヒソヒソ囁きながら嵐の先駆のごとく、ひそかにめぐりめぐっていた。
待ちかまえてやあがったのだろう――。
不動明王に炎陣から蹴とばされたこんがら、せいたかの両童子でもあるように、火だらけになってころげだしたふたりをそこに見るやいな、
「それッ、その者を」
「やるな!」
とばかりいっせいに寄る氷雨と人影。
二どめの仰天。あッと、起きあがろうとしたのもおそい!
すでに霜と植えられた龍牙の短刀、もしくはながき秋水、晃々たる剣陣を作って、すばやくふたりの逃げ道をかこんでしまった。
三太郎猿の早飛脚
一
「ありがたい。味方がそとに待っていた。館のつよい武士たちが馳けつけていた」
と、よろこんだのは、せつな、蛾次郎の生きかえった気持。
それとは反対に、
「しまった、もう敵の手がまわったか」
と絶望的な驚きにうたれたのは、とっさ、竹童の感じたところで、いわゆる、一難去ってまた一難、もうとてものがれる術はないものと覚悟をきめた。