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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁
またおなじ行装で、大きな天狗の仮面を背負っているのを、天狗山伏とも呼んだものである。
とまれ古くから山伏類似のそんな不動行者もあって諸国の山川を跋渉していたにはちがいあるまい。またそういう遍歴者のすがたこそが、岩松吉致のような、多忙なる風雲の策士には常々恰好な“隠れ蓑”として、利用されていたことかとも想像される。
いずれにしろ、その吉致をかしらに、不動行者に扮した七名の武士が、新田ノ庄を六日の未明に立って、利根の上流を赤城山麓から北方へ飛行するがごとく急いで行ったのは事実としてよい。――とすれば、次の七日には、上野と越後との国境、三国山脈をも、はや踏みかけていたのではなかったか。
その三国峠を越え、浅貝、三俣から神立村へ下りると、もう越後新田党の領土になる。
また、べつな清水越えをとっても、行く先々の村には、新田の支族が住んでいた。
さらに信濃川流域の小千谷、十日町の地方まで、魚沼郡の三郡ほとんどは、新田の党が、古くから耕してきた土だった。
それらの門戸の党首を、誰々といえば、
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