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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁

青空文庫

まずよかろう。楠木を加えれば、名和(長年)なども入れねばならず、そう大勢となっては、密談の主旨にそむく」

客殿に灯をみるとまもなくだった。約束のとおり千種忠顕と義貞はつれ立って来た。供もつれず、二人とも微行であった。

「こよいは水いらずだ。いかにすべきかを、とくと諜しあっておこうと思うが……夜は長い、ま、杯をとるがよい」

宮は言った。まずそのお膝をくつろげて。

客は、千種ノ中将忠顕

新田右衛門佐義貞

それだけである。それに殿ノ法印良忠が、宮のわきに侍していた。人払いした客殿の灯の外は、夜寒の虫声だけだった。

「佐」

と、義貞をさして、宮は。

「どうだな、都の住み心地は」

「は。何かと中将殿のおさしずをうかがっておりますれば」

「忠顕の指南役はよいが、この忠顕は、公卿らしからぬ荒公卿での。かつては、ばくち好きで女盗みの上手な男、と堂上までも聞えたものだ。その面の教授はうけぬほうがよいぞ」

「これは、きつい仰せを」と、忠顕は苦笑し「――そのような昔ばなしはまず措くといたしましょう。……ほ。香のよい松茸やら、種々な山の幸が、見事に台盤に盛られてございますな」

「む。