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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(五)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 252,330 字 · 505 頁

青空文庫

何ごともお気軽う。以後、親しゅうしていただきたい」

「これは」

と、心から恐縮して。

「正成のほうからこそ申すべきところをば……はて、さような御意を先にうけたまわると、どう申しあぐべきか、正成、いよいよお詫びに窮しまする」

「なにをで?」

「舎弟正季に代り、ここにふかくお詫びいたしまする。と申せば、はやご合点にございましょうが、正季の郎党、桐山ノ小六という者が、昨夜、男山において、人もあろうに足利殿をねらって兇刃におよびました由」

「あ、そのことで」

「重々の不とどき。小六めはただちに打首ともぞんじましたが、その者の郷里桐山村には老母もおります。かたがた、罪は家来より弟正季にあるもの。……さあて、どうおわびいたせば、お心が解けようかと、かくは正成が、おん前に身をおいて、いかなるお責めもいただこう所存に出た次第にございまする」

「はははは」

尊氏は手を振った。

「そのことなら、お忘れおきください。尊氏はもう水に流した。それのしるしには、小六とやらも、縄を解いて、ご舎弟の許へ返してある」

「仔細、小六からも聞きとりました。それゆえ、なおもって」

「いくら聞いても、おわび言はおわび言だけのもの。