輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁

青空文庫

甘いセリフや、しとやかな裾さばきは、とても、手に負えなかったのだろう。

敵役は、赤ッ面でなければならないということは知っていた。そこで、赤インキを筆につけて、勇ましく塗りまくったのはいいが、インキというのは、乾いてしまうと、剥げるものでない。拭いても、こすっても、どうにもならない。当時は貴重品だった石鹸を、大量に投入してみたが駄目である。

翌日は、学校へゆくことが出来ない。食事に階下へおりることも出来ない。布団をかぶって寝ていると、心配した猪川老夫人が、無理に布団をひっぺがして、キモをつぶして大声を立てた。

この赤インキが、私だったという説があるが、実は、級友のMである。私は、松崎大尉だか原田十吉だかになった時、血糊のかわりに赤インキで、真白いシャツをべっとりと染めて、あとで母親に大変叱られた。

岩見重太郎から日清戦争へと、外題と共に劇団員の腕も上達したはずだが、最後は猪川先生の一喝でオジャンになった。そして私は東京へ出て、もっぱら、見る方へ、精を出した。

大学を中退した私が、新聞社へ自分を売りこむ時「劇評も書ける」というのを一つの特技にした。だが、これは私と前後して、本山荻舟君が入社したため、そっちへお株を取られてしまった。