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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《胡堂百話(こどうひゃくわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,386 字 · 248 頁

青空文庫

だが、そんな問題は私が書くまでもなかろう。私の知ってる原敬は、親友原達の伯父さんとしての姿である。

原敬は俳号を一山といったし、達は若人らしく抱琴と号した。オイが伯父にすすめたのか、伯父の方が先だったのか。ともかく、腕前は、比較にならぬほど抱琴がうまかった。それをまた原敬が、目を細くしてほめあげて、法律論でもフランス語でも、碁でも俳句でも、不思議とあいつは、おれよりうまいよ、とニコニコしていたのを思い出す。

鳩山一郎氏も、同じ時代の一高生だから、何かの折りにきいてみた。「原抱琴なら、よく覚えているよ。長生きしたら、原敬以上だったろうな」と、鳩山さんも残念そうだった。自分自身が、あんな具合だったから、大志を抱いて健康にめぐまれぬ若き日の友人が、ひとしお思い出されたのだろう。

抱琴は全く病弱であった。東大へ進んでからも、半分以上は休んでいたくせに、平均九十三点とか九十五点とかの大記録を出したことがある。

はじめは、本郷森川町の紅葉館というのにいて、当時、外語の学生だった大杉栄も出入りしていた。大杉は頭のよさを自負していたが、抱琴にだけは、心から傾倒していたようである。