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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁
青い顔に血が上って、この影のような男にも、若い情熱のあることを、平次は不思議な心持で見ております。
「あれ、そんな事を言って、和助さん」
と隔てるお舟。
「いえ、親分、――お舟さんは人などを殺せる女じゃない。お曾与を殺したのは、全くこの和助だ、――私がそっと家を出たのが酉刻半頃、――その時分お曾与が湯屋へ行くのを知っているからだ」
と和助。
「お前にはお曾与に怨みがなかったはずだ、出鱈目な事を言っちゃならねえ」
平次は和助の白状を相手にもしません。
「親分、聞いて下さい、こうなりゃ、みんな言ってしまいます。そして立派に処刑を受けます」
和助は激情に顫えながら、平次の前に手を突きました。
「…………」
ジッとそれを見詰める平次、お舟も呆気に取られて黙ってしまいました。
「私はこの通り、見る影もない人間だ。ね、親分、お舟さんが、寄り所のない私を引取って、ここへ置いてくれるのは、私を男の切れっ端とも思わないからだ、――多勢の弟子達だって、私を六十七十の年寄りのように思っている。私は結局それをいい事にして、人目に立たないようにその日その日を送っている――」
「…………」