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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十)金色の処女(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 137,868 字 · 278 頁
に川へ抛り込まれた」
「ヘエ――」
「卯八の抛った出刃庖丁を拾ったのは、一番近いところにいたお袖だ。お袖の手から菊次郎が受取り、これを清五郎に渡した。清五郎がそいつで舳に後ろ向きになっている七平を突き、川の中へ落したんだろう。ただ川の中へ突き落したぐらいじゃ、泳ぎのうまい七平は死なない――七平に寝返りを打たれちゃ菊次郎も清五郎も首が危ない」
「なアる――」
「そんな事をしているうちに船は岸に着いた。人立ちがして来たから、その上の細工は出来なかったのだろう」
そう説明されてみると疑う余地もありません。四人――七平を加えて五人でやった細工なら、なるほど手際よく運びもするでしょうが、最後の際に、七平の裏切りと卯八の忠義で、悪者どもの企みが喰い違ってしまったのです。
「悪い奴らじゃありませんか、親分」
「人間の屑だよ、――俺の立てた筋はまず間違いはあるまいと思う。このお調べは面白いぜ、八」
「ヘエ――」
「気の毒なのは磯屋の貫兵衛だ、――が、自業自得というものさ、――それよりも可哀想なのはお蔦だ」
平次はつくづくそう言うのでした。