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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

黄昏の色が濃くなっているので、よく見分けはつかないが、三人ともまるで知らない人間であった。かれらは道へ出ると、そのまま北へ向って大股に歩きだした。

「おかしなやつらだな」

万三郎はこう呟いて、かれらの姿が見えなくなるまで見送り、足早にあとへ戻って、館林へゆく街道へと道をそらした。

結城へゆくには、粕壁から、杉戸、栗橋というのが順路である。もしかして跟けられたときの用意に、いちおう熊谷まで廻り道をしたのであるが、こうなればその必要がなくなったわけで、彼は持田という合の宿までゆきそこで泊った。

明くる日、万三郎は川俣の渡し場から、舟で利根川を下り、午ちょっと過ぎに関宿へ着いた。川を渡ると境の町である、そこで午の食事を済ませようと、茶店を物色しているうち、その一軒から二人の侍がとび出して来て彼を呼び止めた。

――昨日のやつらか。

万三郎はどきっとしたが、笠をかぶったまま振返った。

「私共は代官所の者です」

と一人が前へ来て云った。

四

代官所と聞いて万三郎はほっとした。

なるほど代官所あたりの下役人らしく、やぼったい身装だし、眼ばかりぎょろぎょろしているが、二人とも愚鈍そうな男だった。