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ふうりゅうたいへいき

風流太平記

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁

青空文庫

「おいとねえさまが風邪で寝ていらっしゃるとき、あたしが夜中に休さまのお寝間へ入っていったというんでしょ、あなたその話のことを仰しゃるんでしょ、つなさん」

「あなたは恥じなければならない筈よ」

「どう致しまして、恥じなければならないのはあなた方のほうよ」

かよは冷笑して云った。

「あなたも甲野のみなさんも御存じないのよ、あたしお寝間へなんかゆきゃあしないわ、休さまが来いと仰しゃったのよ、夜中にそっと寝間へ来いって、おれはまえからかよが好きだったんだって、そう仰しゃったけれどあたしいかなかったわ、あたしがいかなかったので、休さまは逆にあたしを誹謗なすったのよ」

「嘘よ、嘘にきまってます」

つなは静かに首を振った。

「わたくし休之助にいさまを知っています、休之助にいさまはそんな人ではないわ、決して、そんなでたらめを誰が信ずるものですか」

「信じて頂くことはなくってよ、あたしはただ本当の話をしたまでなんだから、嘘だと思うなら休さまとつき合せて下さればいいでしょ、でも休さまはかよの前へは出られないだろうけれど、――」

こう云って、かよはすばやく横眼でつなを見た。つなは平然としていた、そんな話は信用しないという姿勢だったが、それでも感情の動揺は隠しきれなかった。