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ふうりゅうたいへいき
風流太平記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《風流太平記(ふうりゅうたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 244,473 字 · 487 頁
その影を伝いながら、――殆んど躯を小屋に貼りつけるようにして、万三郎は前のほうへ出ていった。
貯蔵庫の位置は、その小屋より右奥であった。彼が小屋の出入口近くまで出てゆくと、ちょうど荷駄の列が、そこで左から右へと通り過ぎているところであった。
万三郎は板壁にぴったり身を押付けた。
荷駄は七頭、それぞれ一人の侍と、二人の小者が付いていた。そして、それらのあとから、身分ありげな武士が、鞭を持って、三人の侍たちと話しながら来た。
その武士は遠乗りの旅装で、塗笠を冠り、背割り羽折を着ていた。荷駄といっしょに来たのだろう。――他の三人はこの貯蔵所の、番頭といったふうにみえるが、その武士に対してひどく慇懃な態度を示した。
かれらは普通の声で話しながら来た。他の者は声をひそめているが、その四人の話は、かなりよく聞き取ることができた。
「なにそう多くはない、常駐の兵は二百人ぐらいのものだろう」
「いつ頃までいるのでしょうか」
「三月にまず五十人ほど――」
武士はそう云いかけて、ふいに立停った。ちょうど万三郎のいる直前である、そして、不審そうな眼でこっちを見た。
――みつかったか。